ある地区のまちづくり研究会に関わって数年。
今回、住民の方と一緒にまちづくりの事例を見学に行きました。
上の写真は公園? それとも小学校? いいえ、両方です。ちょっとわかりにくいですが、校庭の周りに公園が広がっています。そしてその間には柵や塀がありません。ここは、杉並区にある「蚕糸の森公園 + 杉並第十小学校」。地域の防災機能を持ったオープンスペースも兼ねています。訪れた日は祝日だったので少年野球が利用していました。体育の授業も同じ環境なんだと考えると、ちょっと画期的。大阪の事件以来、校門を閉めたり防犯カメラをつける学校が増えるなかで、こうして地域の目で見守っている学校もあるんだと感心しました。
こんな開放的な学校が維持されているのは、地域グループの見回りのおかげのようです。まちづくりの初期段階から呼びかけられた、住民主体の「まちづくり協議会」の経験者やPTAによるグループで、整備から20年以上経った今も、その活動をずっと続けているそうです。周辺地域の見回りや、区の事業用地の管理などをされています。非常に興味深かったのが、その事業用地の使われ方でした。菜園、花壇、コミュニティーガーデンなどとして利用され、子ども会や幼稚園が芋ほりをしたり、近隣の方々でお月見やミモザを観る会などを開催しているそうです。通常、事業用地というと「区有地」の看板を掲げてフェンスで囲み、出入りを禁止しているところが多いなか、こんなポジティブでオープンな利用も可能なのかと驚きました。
住民が共有できる都市のオープンスペースは、とても魅力的です。でもそれは、見えない管理体制とのバランスがとれてはじめて成り立つことなのですね。継続する自発的な地域活動が重要なんだと思いました。