赤羽の家

光あふれる階段が個室をつなぐ

ご夫婦と成人した娘さんを中心に、親族の大人5人が一緒に暮らすための住宅です。

3層を貫く階段が、木の幹のようにこの家をまとめています。個室はその幹から伸びる枝葉のように連続し、気配が程よく伝わります。

上階まで空間が連続していく階段には、室内環境をコントロールする役割を持たせました。

階段の南の窓からは光が降り注ぎ、つながる廊下の奥まで明るく照らします。

夏は、階段全体が換気塔になります。頂部の窓を開けると温度の高い空気が抜け、家全体の通風を促します。反対に冬は、階段に設置したダクトを使って、頂部に溜まる暖気を床下に送り「温度むら」を緩和し熱の有効利用に努めています。

皆が顔を合わせる1階の共用空間は、すべてつながる一室空間に。

セミオープンのキッチンと、リビングダイニング。

キッチン横の壁は、マグネットでメモ留めができるホワイトボード。インフォメーションとコミュニケーションのボードとして活躍します。

1階の和室は、将来誰かの介護が必要になった時に備え、隣には介助がしやすい広いトイレと浴室が続きます。廊下に引戸を増やせば、リビングやダイニングから独立した介護スペースをつくることが可能になっています。

キッチンの隣はパントリー、その奥には洗濯機のある脱衣室が一列に並びます。昼間は開け放し連続して家事ができます。

階段が共有空間と個室をつないでいます。

トップライトによって明るい北側の個室。

リビングの吹抜につながる個室。間接的な柔らかい光が落ち着きます。

階段の最上階。ハイサイド窓によって家全体の換気塔になっています。階段ダクトの頂部には、冬に床下に暖気を送る換気扇を設置しています。

3階の個室。通風を促す北面のトップライト。

バルコニーの床板と手摺は、スチールのグレーチングに。夏の直射日光は遮りつつ、明るさを確保しています。

赤羽の家

竣工   | 2013
用途   | 住宅
構造   | 在来木造

構造設計 | 馬場貴志構造設計事務所
施工   | 解良工務店
写真   | OV

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