月ビルの製品検査に行ってきました。
屋根の構造材です。想像を上回る存在感です。
このハの字に開いたソリッドな木板は、下に開くように立ててコンクリートの腰壁の上に乗せ、アーチのような屋根を作ります。これが1ユニットで計11ユニットが連なります。
ユニットひとつで約400Kg!もともとは標準的な木造で使用される120角の柱材からできています。繊維方向はホームコネクターという剛接合が可能な金物で接合、半径方向は長ボルトを使って接合しています。
工場であらかじめユニットを作り、現場にクレーンを使って吊り込みます。精度の確保と梅雨時期の建方として短時間で仕上げるためです。
なぜカタマリなの?と思われるかもしれませんね。できる空間の容積に対して構造材の体積が大きくて非効率的と。その一点で考えると「?」となってしまいますが、複合的に見るとその効果は大きいです。梁成を小さくできる(特に月ビルは階高を低く抑える必要がありました)、仕上げを兼ねられる、断熱性がある、そして最大のパフォーマンスは現れる空間が圧倒的に強い。もちろんこれは建て主の意向が一致しないと意味のない効果ですが、今回はとても楽しみにされているのでベストな選択だったと思っています。
明日が待ちに待った建方です。