広尾の家

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家具がつくる風景

緑溢れる静かな公園に面するマンションのリノベーションです。
独立した子供達が訪れる滞在スペースを用意した、ご夫婦お二人の住まいです。

大きな3つの家具で仕切られた、緩やかにつながるワンルーム。
18.5mの住戸幅いっぱいに連続するこれらの家具が、連携してスペースを生み出し、風景をつくります。

1つ目の家具は、風景を切り取る額縁のような窓辺の家具です。既存窓の高さに応じていくつかの用途を設定しています。掃出し窓には縁側を、腰高窓にはベンチや机、カウンターをつくり、窓辺のくつろぎのスペースを用意しています。

2つ目の家具は、窓の反対側にある長いオープンシェルフです。多くの蔵書と工芸品を収蔵しながら、玄関や台所、水回り、納戸への出入口も組み込んでいます。

3つ目の家具は、ワンルームの中央に島状に配置した、子供達の滞在スペースをつくる家具です。ベッドと机と収納が一体になっています。この家具によって、ワンルームを大きく「寝室ゾーン」と「居間食堂ゾーン」に分けています。家具の表面には輻射冷暖房(PS)を組み込み、住戸全体の快適な温熱環境を効率よく確保しています。

漆喰の塗壁、拭漆の杉羽目板の壁、無垢材の床、栓(セン)の家具など、しっとり落ち着いた表情の素材を用い、素材の質感を味わう空間を目指しました。

広尾の家

竣工   | 2008
用途   | 住宅

共同設計 | プランツアソシエイツ
設備設計 | 総合設備計画
照明計画 | 木下麻里
施工   | TH-1
写真   | 熊谷順 *北嶋俊治

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