見守る家
介護が必要な母と兄を見守るために建てられた住宅です。
隣接する工場を営む女性が中心となって家づくりを進めました。母と兄と女性、3人のスペース以外にも工場で協働する妹と甥も滞在できるよう計画しています。
自然にお互いを見守る関係でいられるよう、家族が集まる食堂を住宅の中心に置き、そのまわりを囲むように他のスペースを配置しました。
母と兄の部屋は1階、他の家族の部屋は2階です。生活時間の違いに配慮して2階にも出入口があります。2階の4つの寝室からは、吹抜を介して1階の二人の様子を見守ることができます。
グループホームやシェアハウスにもつながる、集合住宅のような戸建て住宅です。
一日の大半をベッドで過ごす二人にとって、ベットまわりのスペースは、寝室であり、居間であり、接客スペースであり、そして介護を受けるスペースでもあります。
そのため、建具を開け放つと食堂の一角にいるような、建具を閉じると落ち着いた個室となるようなスペースにしました。
周囲は工場や大型店舗が点在する地域で、風が強い。その風を換気力として吹抜上の換気塔から空気が出ていくように計画しています。住宅全体の通風を促します。
武蔵村山の家
竣工 | 2007
用途 | 住宅
構造 | 在来木造
構造設計 | 腰原幹雄 佐藤孝浩
照明計画 | 木下麻里
環境計画コンサルティング | 須永修通
施工 | 吉田工務店
写真 | 熊谷順
住まいのバリアフリーコンペティション 2010 最優秀賞